ひじきについて
まず、はじめに「ひじき」を漢字で表記しますと
ひじきの歴史
日本人とひじき
- 最古の記録では、延喜式に朝廷への貢納品として選ばれたことが記されています。
- 徳川三代将軍家光の時代(寛永二十年)に書かれた料理書『寛永料理物語』で、ひじきの調理法は「にもの、あへもの」と記され、当時既に現代と同じような料理法で食べていたものと想像できます。
伊勢ひじきの歴史
- 寛永十五年(1638年)発行と言われている『毛吹草』(俳人のため季語や各地の名産品を紹介している当時のガイドブック)に既に伊勢の国の名産品として〝鹿尾菜(ひじき)〟が紹介されています。
- 良質のひじきの生息地 志摩地方より海路約三十里、三重県伊勢市北部(旧度会郡北浜村)周辺は、かつて鳥羽藩領だったこともあり、又、ひじきの加工に必要な、真水・水捌けの良い土地・広い干し場・風があり、雨が少なかった ことなどから、この地でひじきの本格生産が行われるようになりました。
- 寛政年間(1789~1800年)創業の弊社先達が当時の江戸で伊勢ひじきの名で販売し始めたのが〝伊勢ひじき〟の始まりと言われています。当時産地の名が冠される海藻はその品質が優良なことで知られていたようです(日高昆布、浅草海苔、鳴門若布等)。
ひじきの種類
『芽ひじき』と『長ひじき』
- ひじきは陸上の植物でいうと、茎(幹)の部分から芽(枝葉)が出ているような状態で生息しています。これが、加工の工程で芽が茎からとれてしまいます。こうして分かれた芽の部分が『芽ひじき』(米、小芽、姫とも呼ばれる)で、茎の部分が『長ひじき』(茎、糸とも呼ばれる)となります。
- 両者は形状や食感に多少の違いがありますが、お好みや料理に応じて使い分けていただければ良いと思います。
ひじきの産地と特徴
伊勢ひじきの特徴
- 伊勢志摩地方は風光明媚で、太古の昔から海産物に恵まれ 美し国(うましくに)と呼ばれており、伊勢の神宮もその食糧の豊富さからこの地に御鎮座されたと言われています。また、この地方は国内でも有数のリアス式海岸・隆起海蝕台の美しさでも知られ、岩場で遠浅という海藻が生育するのに最適な環境です。その最適な環境のもとで、太平洋の荒波に揉まれ元気に育った伊勢産ひじきは、長く、太く、身詰まりが良く、風味良く、もっちりした歯ざわりの最高のひじきです。
- 伊勢志摩地方は古くからのひじきの産地であり、”伊勢ひじき”の名のもとに全国各地へと出荷されています。
そのひじきの出荷量は全国の7割を占め、名実ともに全国一を誇り、国内はもとより海外にも広く出荷されています。
国産と輸入品の違い
国産と韓国産・中国産の大きな違いは、天然の物であるか養殖物であるかによるところが大きいといえます。
天然物は、常に荒波にさらされ、干潮時には直射日光を浴び、乾燥にも耐えなければならない過酷な環境に棲息しており、生体自体が強く、苔等の付着もしにくく、健全に成長しています。
また、採取の時期さえ適切ならば、葉は身の詰まったおいしいひじきになります。
養殖物は、養殖ロープの保護のため、波の荒い海域では養殖できず、どうしても波静かな海域での養殖になります。
また、常に海中につかっているため天然のように日光や空気に晒されることも無く成長していきます。
常に水に浸っているので、水面に出ようとするのか、葉に気胞をもちやすくなります。
ひじきの栄養素
ひじきの日
ひじきの日
三重県ひじき協同組合の目的の一部である、ひじき消費拡大・ひじきが健康食品であることのPR・ひじきが三重県の特産物であることのPRの為、昭和59年に制定。カルシウム・鉄分等のミネラル、食物繊維が豊富で、添加物など一切使用していないひじきは、健康食・長寿食として親しまれています。これからの高齢化社会に向け、単に寿命が延びるだけでなく、健康に長生きしていくことが大切である、との考えから、「ひじきをもっと食べて、健康に長生きしてください」との願いを込めて、9月15日〈敬老の日〉を【ひじきの日】としました。
ひじき祭
【伊勢ひじき】及び【ひじきの日】をPRするために昭和60年より開催。
周辺市町村の福祉関係や敬老会等に【伊勢ひじき】を寄贈し、【ひじきの日】当日には、神宮宇治橋前等で、全国から訪れる観光客に【伊勢ひじき】やパンフレット、海や川を汚さない天然油脂洗剤等を無料配布しています。
<他にもこんな海藻の日が>
・2月6日「海苔の日」
・5月5日「わかめの日」
・11月15日「こんぶの日」