五島列島とは
九州の最西端、長崎県の西方海上約100kmに位置しています。大小152の島々からなる五島列島の南西部にあって、
総面積420.90㎢、11の有人島と52の無人島で構成され、黒潮本流から分岐して北上する対馬暖流と、五島列島付近にできる沿岸流の影響を強く受けておいるため、魚類の回遊が多い西日本有数の漁船漁業の好漁場となっています。
「世界遺産登録の推進」「再生可能エネルギーの島づくり」「マグロ養殖基地化」「日本一の椿の島づくり」の4大プロジェクトを推進し、島ならではの地域資源を活用して、活性化と交流人口の拡大に取り組んでいます。
近年の福江島のひじき生産量
平成22年にひじきは全滅。原因として日本各地で起こっている「磯焼け」というコンブやアカモクなどの海藻類が激減し不毛の状態となり、その海藻類を生活や産卵の場にしている生物が寄り付かなくなることはもちろん、太陽の光と魚類その他の海生動物から排出される二酸化炭素を利用して、酸素と炭水化物を合成(光合成)する海藻がなくなることで生態系のバランスが崩れ、ガンガゼや小型の貝など飢餓への耐性が高い藻食生物ばかりが居付く「海の砂漠化」が考えられます。「昔のように豊かな自然の海をなんとか復活させたい」という思いからプロジェクトがスタートしました。
取り組み
ヒジキに金網を被せての試験
平成24年(2012年)
藻食性魚類から海藻を守るために金網を設置。金網内のヒジキは20cm成長しましたが、金網が破け全滅しました。
イケス内でコンブ種苗を
ロープを被せて養殖試験
平成25年(2013年)
渋谷潜水工業との出会いによりイケス内でコンブ種苗をロープをかぶせて養殖しました。
結果、イケス内の養殖は成功し、磯焼けの原因が藻食性魚類であると断定できた事により、
磯を食害防止ネットで大きく仕切って、藻食性魚類を対策することにしました。
仕切網を継続・拡大
平成27~28年(2015~16年)
平成27年には仕切り網を継続し、仕切網内での海藻の養殖試験を行い、仕切網内での養殖に成功し、養殖した海藻の定着ができました。
翌28年には仕切網のさらに拡大し、ヒジキ母藻を投入しましたが、こちらも定着しました。
またワカメから胞子葉(めかぶ)が発生することも確認できました。
ヒジキが収穫できるまで回復
平成29年(2017年)
引き続き12〜6月の間仕切網を設置し、天然ヒジキが8年ぶりに収穫できるまでに回復しました。
またその間にもヒジキやワカメの養殖、母藻設置、種苗移植、岩盤掃除なども行い、ガンガゼなどの藻食生物の駆除も行いました。
平成30年(2018年)
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天然ヒジキがイカ産卵床に
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10年ぶりの中学生ひじき採り
水産研究・教育機構 西海区水産研究所の吉村部長、門田研究員と出会い、食害の主な原因種であるイスズミに対抗する術の開発を進めました。